軽機開発株式会社|コラム

HOME >> コラム一覧 >> コラム

コラム

第33回 可能性
   

 ロッキード社がトラックに積める位の大きさの核融合炉を10年以内に開発するそうだ。核融合反応とは太陽みたいなもので、10億度位の高温で重水素と三重水素の原子核をものすごい速さでぶつけてDT反応させ、厖大なエネルギーを発生させるというもので、これが実用化されればおよそエネルギー問題は解決する。

 「太陽をつくるけど、それを入れる箱の作り方がわからない」と揶揄する向きもあるが、ITER(イーター)という組織でワールドプロジェクト的に取り組んでいる。これはフランスに巨大な炉を造っていて、数十年後の実用化を目指しているので、今回のロッキードの発表が実現すれば、これはもう画期的とか、イノヴェーションとかいう言葉を幾ら使っても足りないような、とんでもない出来事だ。
 投資を募るためのプロパガンダと見る向きもあるが、無名の企業や研究者だと眉唾ものだが、知名度の高い巨大な軍需企業だけに、あながち根拠のない話ではなさそうで興味深い。

 核融合炉の環境を考える時、数字の桁が普通の社会と余りにもかけ離れていて、どう頑張ってもイメージできないものが多い。宇宙や量子物理学なんかも同じで、二桁の指数がつくような数値はあくまで机上のものという感じで、形象化して頭の中に入りづらい。

 しかし目には見えないけれど恐らく実際に、原子核や素粒子が世界のすべてを構成しているのだろうから、目に見える現実は、イメージしにくいがそれを構成するミクロの現実と、それらを包括するマクロの現実(宇宙)の中で成り立っている。
 そう考えだすと頭がクラクラするが、今生きているという事はなんと奇跡的で、無限の可能性を秘めたものかと思わずにはいられない。

 

  イメージ1
 
イメージ2