軽機開発株式会社|コラム

HOME >> コラム一覧 >> コラム

コラム

第4回 適正価格
   

 チャチな物が多い。どうも品質が劣化している気がする。プラスチックのキャップはしっくりこないし、ペットボトルはプヨプヨしているし…。数年前はこんなじゃなかったけど。

 極限まで材料や加工コストを削った結果、不良品とは言えないかもしれないけれど、どうにも使い勝手の悪い物が増えてきた気がする。テイクアウト食の醬油、一昔前は金魚の醬油差しとかだったのに、最近は全部袋ものになってしまって、しかも切り口が潰れて上手に出せなかったり…不器用な人間にはかなり扱いが厄介なものになって来ている。
 あの金魚の醬油差しはどこへいってしまったのか? 不器用な私、個人的には10円高くしても良いからあれにしてくれ~と願ったりすることがありますが、大多数の人は数円のコストダウンの為に容器なんて勿体ない、袋で充分と考えているのでしょう…か?
 メーカーは様々なリサーチをした結果、今日のスタイルに落ち着いたのでしょうか? どうも削る部分が間違っていうんじゃないかと感じているのは私だけでしょうか?

 日本のQCは世界一と言われた頃があり、製造業界ではある意味バカバカしいと思える位均一な品質にこだわって検査していた時代がありました。
 作るより検査の方によりコストがかかるという物も珍しくなく、資源とか諸々の事を総合的に考えると如何なものかと疑問を感じることもありましたが、最近はいくら忙しく、世の中の流れが速いとは言え、これで良いのかと感じるものも少なくありません。言い換えると昔は品質検査を必要以上という位していたので、商品として出荷される多くの物は過剰品質と言える程の物でした。

 最近は次々にアイテムが変わると言う事があるにせよ、十分な吟味もされず、とりあえず早く商品として出荷し、問題があれば回収するというやり方が多くなった気がします。
 日本の製造業の場合ではどちらの場合も極端すぎる感じで、行政やマスメディアのいずれかが関与するために、普通の人と製造業との感覚がフィットしない状態にあるのではないかと思います。

 求められる物、必要な物を必要なだけ作り、それを必要とする人に適正な価格で販売するというごく当たり前の事が、行政やマスメディアの関与の為適正に行われていないのではないかと感じる今日この頃です。
 残念な社会にならない為にも、個人一人ひとりの原点の価値観を見出し、それに基づいた行動をすることが大事だと思います。
 何が適正かは難しい問題ですが、明らかな過剰生産、強引な販売、過当競争が多発するこの時勢では、ガツガツしないということが妥当なことかと感じます。
 人間、どうせ後何十年のうちには皆死んでしまうのに何をそうカリカリしているんでしょうね。 良心に恥じることのないように、とりあえず今、生きている幸運を満喫したいものです。

  イメージ1
 

イメージ2