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コラム

第5回 携帯電話と燃料電池
   

 映画やドラマで電話のシーンを見ると時代がわかる。ダイヤル式の電話はこれぞアナログという感じで、無線のモールス信号みたいに接触の回数で数を伝えるというシンプルなものでした。9とか0とかは戻る前に結構時間がかかったけど、さほど気にならない時代でした。もちろん電話をかける以外の情報伝達は出来ないので、競馬の電話投票なんかもオペレーターとやり取りしていたはずで隔世の感があります。
 やがてプッシュフォンになり、コードレス子機ができ、遂に自動車電話という画期的なものが登場します。これこそ携帯電話の原点ですが、バッテリーが大きく中継点が少ないためアンテナも大きく、料金も非常に高いので金持ちが高級車に搭載するというイメージのものでした。車から外して持ち歩けるようになっても、それ自体がカバン位の大きさで、とてもポケットに入れることは出来ませんでした。
 かなり小型化され、どうにかポケットに入る大きさになってきても、まるで鉄の塊を入れているかのような重量感で、しかもバッテリーの持続時間も短く、限られた職業の人以外はポケベルを持って公衆電話で連絡することが多かったと思います。


 ある時ついにバッテリーの軽量化に成功し、携帯電話というこの画期的なツールは爆発的に普及します。メモリーの高性能化とともに通話以外の機能も充実し、最新のものは一昔前から見ればまさに「魔法のツール」と言えるでしょう。殆どの人がそれを当たり前の物として持ち歩き、むしろそれ無しでは生活できないに近い状況になっています。


 今日の状況に至ったのは、販売戦略やメールに代表される多彩なサブ機能の充実もありますが、何と言ってもバッテリーの軽量化を成し得たからだと思います。技術革新とその普及というのは画期的な原理をいかに普及しやすい形に出来るかが重要で、その為には壁にぶつかった時、ブレず、諦めず、逃げずに真摯に研究し乗り越えるか、もしくは見切りをつけて諦めるかしか選択肢はありません。途中でブレて本来の目的とずれたところでお茶を濁したりすると、その関連の技術の発達そのものが阻害されてしまいます。


 環境問題によってクローズアップされている燃料電池というものがあります。画期的なもので、多くの企業が研究開発に参入しています。理論は画期的で実践可能なものですが、実際に作ってみると小さな装置ではほんの少しのエネルギーしか生み出しません。小さな羽を回すことは出来ても、大きなものを動かしたりたくさんのお湯を沸かしたりするには結構巨大な装置か、投入する原料自体が純度の高い、その前段階でエネルギーを大量に使って精錬されたものになってしまいます。つまり、大きさのパラドックスに陥っている感じで壁を感じている人も多い筈です。
 「環境問題」「CO2削減」という錦の御旗のもとに多額の補助金など様々な利権が絡んでいるからでしょうか。白旗を上げすに横に枝を伸ばそうとしている企業が多くあるように感じます。


 いずれ石油は枯渇するかもしれません。今すぐ普及するには難しくても、例えば原油1バーレル200ドルになったらこのシステムの出番ですということでも良いから完成度の高いシステムを開発してほしいと思います。
 完成する前から投資の元を取ろうとして中途半端なものを適当に売ろうなんて考えは、技術開発の風上にも置けない発想ですから…。念のため。

 

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